奮戦記
【09.11.03】深刻化する日本の貧困──求められる根本対策
先月20日に、厚生労働省がはじめて「相対的貧困率」を公表しました。
国民生活基礎調査をもとに算出したもので、2007年は15.7%でした。
この数字は、所得を世帯人数に振り分けて高い順に並べたときに真ん中の所得(228万円)を基準に、その半分に満たない人が占める割合を示します。
1998年時点では14.6%、2001年は15.3%、2004年は14.9%でしたから、この間で最悪の事態となっています。
経済協力開発機構(OECD)の08年報告書では、04年の日本の貧困率は14.9%で、加盟30カ国のうちメキシコ、トルコ、米国に次いで4番目でした。30カ国の平均値は10.6%です。
日本は働いている1人親家庭の子ども(18歳未満)が58%と、圧倒的に高くなっています。
厚労省は今回、1人親家庭を含む18歳未満の子どもの貧困率は14.2%(07年)と公表しました。
この原因は、非正社員の増加などによる格差拡大があるとみられます。
反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長によりますと、日本の貧困率の高さは、非正規雇用の増加のほか、高齢者や単身世帯の多さも原因になっていると見ています。
昨年秋からの景気悪化もあって、生活苦の相談は昨年同時期に比べ、約3倍に上っており、一般の家庭にも生活苦が広がっているといいます。
貧困率の削減のためには、雇用、住宅、教育など総合的な支援が求められています。