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奮戦記

【09.11.19】深夜の本会議で中小企業金融円滑化法案を採決

 財務金融委員会に付託されていた中小企業金融円滑化法案が、与党・民主党によって強行採決され、本会議に緊急上程されました。
 やり方が、あまりにも乱暴なので、私は、財務金融委員会と本会議で、以下の討論をおこないました。

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   私は、日本共産党を代表して「中小企業金融円滑化法案」にたいする討論をおこないます。
 この法案についての質疑は、始まったばかりでありました。にもかかわらず、19日午前、財務金融委員会で参考人のご意見を聴取した直後に、民主党が一方的に強行採決を行い、そのうえ「本会議に緊急上程」するという強引な議会運営を行ったことに厳しく抗議するものであります。
 財務金融委員会で、私の質問に対して亀井大臣は、採決前に「検査マニュアル」等の委員会への提出を約束しました。大臣は、できるだけ全文を出したいが少なくとも「概要」だけでも出すと約束していたのであります。
 この「検査マニュアル」や「指針」は、法案に「魂」を入れるものであり、各党・各会派がそれを見て法案への態度を決めようとしていたのであります。ところが、昨日、理事会に提出された文書は、「概要」ではなく「イメージ」というタイトルのきわめて抽象的なものでした。これでは、「採決前に提示する」という約束が果たされたとは、とても言えません。

   さらに重大なのは、参考人質疑が終わったとたんに採決を強行したことであります。参考人のご意見をお聞きするのは、それを踏まえて委員会での審議を深めるためであります。意見を聴きっぱなしで、いきなり採決というのは、参考人に対してあまりにも失礼な行為と言わなければなりません。
 18日には、例外的に主旨説明の直後に委員会質疑をおこないました。これも異例であります。今日は、委員会の定例日ではありません。しかし、参考人質疑をおこなうというので、私たちは定例日以外の委員会立てを容認したのであります。それを逆手にとって採決するというのは「だまし討ち」と言われてもしようがありません。

   いま、与党・民主党がおこなっている行為は、これまで自民党・公明党がおこなってきた横暴きわまりない国会運営と、どこが違うのでしょうか。自民党と民主党が、入れ替わっただけではありませんか。

 法案について言えば、中小企業への融資が改善される方向は示されていますが、それが実効性あるものになるかどうかは、もっぱら「金融検査マニュアル」「監督指針」が、どうなるかによって決まります。
 財金の理事会に初めて提示された「金融検査マニュアル改定のイメージ」という文書には、「顧客からの相談・苦情等について適切に対処」と書いてあります。また「業績評価・人事考課上、金融円滑化の取組みを法令等遵守やリスク管理等と同様、適切に位置づけ」と書いてあります。「適切に対処」するとはどういうことか。「適切に位置づけ」とはどういうことか、何も中身が示されていません。また、「条件変更を行っても、不良債権に該当しない要件を従来に比べ拡充」と書かれています。しかし、どのように「拡充」するのか、これではまったく分かりません。
 これで、直ちに採決せよと言うのは、あまりにも乱暴であります。

 この法案は、「内容のない入れ物」のようなものであります。「ないよりは、まし」という程度のものでありますから、あえて反対は致しません。
 以上で討論とします。

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