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奮戦記

【10.03.20】地球温暖化対策を口実に原発を推進すべきではない

   3月17日に開かれた財務金融委員会で、経済産業省の政務官が「地球温暖化対策として、原発を大いに推進したい」と発言したのには、たいへん驚きました。
 私たちは、原子力発電は技術的に未確立であり、安全性が確保されていないと考えており、原発の新・増設はすべきではなく、再生可能エネルギーを確保しながら、原発から計画的に撤退すべきだと主張しています。

   昨年12月に公表された「途上国支援に関する『鳩山イニシアティブ』」では、原子力発電についてどう位置づけられているでしょうか。
 「民間企業の意欲を高めるような仕組みを新たに提案していくことによって、省エネ機器・設備から原子力発電等のインフラ・システム分野に至るまで、幅広い分野で日本の先進技術の世界への普及を促進し、支援をより充実させることを目指す」とされています。

 しかし、もともと昨年9月22日の「国連気候変動首脳会合」でおこなった鳩山総理の演説では、どこを見ても「原発推進」という言葉はひとことありません。
 なぜ、「原発推進」が入るようになったのでしょうか。一説では経済産業省が押し込んだともいわれています。

   しかも、先週、閣議決定された「地球温暖化対策基本法案」の第16条に、次のような条文が入っているのです。

 「国は温室効果ガスの排出の抑制に資するため、温室効果ガス排出の量がより少ないエネルギー源への転換を促進するために必要な施策を推進するものとし、特に原子力に係る施策については、安全の確保を旨として、国民の理解と信頼を得て、推進するものとする」と。
 原子力発電はCO2を出さないクリーンなエネルギー源だというが、そうではありません。
原子力発電は、放射能汚染という深刻な環境破壊を引き起こす危険性をもっているのです。

   1986年のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)では、深刻な放射能汚染が国境を越えて広がりました。
 原子炉周辺30キロメートルは、いまだに原則立ち入り禁止となっています。
 日本では、東海地震の想定震源域の真上に浜岡原発があり、原発の地下や近くに活断層が次々と確認されるなど、地震による重大事故の危険性もあります。
 また、原発の使用済み燃料など放射性廃棄物の処分方法も未確立です。
 使用済み燃料はきわめて強い放射能をもっており、その危険性は数万年も持続します。

   政府は、地下深くに埋設するとしていますが、長期にわたって安全性が確保される保障はありません。

 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)も、原発には「安全性、核兵器拡散、核廃棄物の問題」があると指摘しているのです。
 温暖化対策のためには、省エネルギーを徹底すること、化石燃料依存や原発推進から脱却し、再生可能エネルギーを重視する方向で、エネルギー政策を抜本的に転換することが大事です。

 日本共産党の第25回党大会決議は「化石燃料依存をあらため、再生可能エネルギーの利用を抜本的に高める。温暖化対策を口実にした原発推進は、放射能汚染という深刻な環境破壊を生みだすものであり、反対する」と明記しています。

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