奮戦記
【10.03.25】議運委で国会同意人事について意見表明
衆院本会議で、先に政府から提案されていた8機関32人の国会同意人事案が採決されました。日本共産党は、7人に反対、25人に賛成しました。――それに先立って、私がおこなった衆院議院運営委員会での「意見表明」の内容は、以下の通りです。
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同意人事について、意見を述べます。
まず人事官です。原恒雄(はらつねお)氏の再任にあたっては、この4年間の人事官としての活動を問わなければなりません。この間、人事院決定をめぐる最大の問題は、小泉内閣の「総人件費抑制」政策に忠実にしたがい、給与引き下げ勧告を重ねてきたことです。
原氏が人事官に就任した2006年の勧告では、本来なら給与増とすべきところ、給与の官民比較基準を意図的に変えて「勧告なし」としました。昨年2009年には、自公政権の圧力に屈し、4月になって突然「臨時調査」を行い、夏のボーナスを削減するという異例の勧告をおこないました。これは人勧制度のこれまでのルールをも一方的に踏みにじる乱暴なやり方でした。
私が3月17日の議院運営委員会「所信聴聞会」で、この点をただしたところ、原氏は「昨年夏のボーナスは、異例の取り扱いを勧告した」と認めながら、「基本的には……調査に基づいて勧告をするというかたち」になっており、「12月に一度に削減するのは問題が出てくるという認識で、あのような形をとった」などと弁解しました。
この姿勢は、中立・公正の立場を放棄するものであり、労働基本権制約の代償機能を果たすべき人事官としてふさわしくありません。
また、国家公務員制度改革の根幹問題である労働基本権の回復に関して、私が、ILO「勧告」の受け入れについて質問したところ、原氏は「日本としてはこう考えるというのを、政府として方針をだされるというのが順序」と述べました。「政府の方針まち」で、自らの見識表明を回避するようでは、日本国憲法28条や国際労働基準に則った公務員制度改革は期待できません。
以上の理由から、原氏の人事官再任には、賛成できません。
次に、原子力安全委員会委員候補の斑目(まだらめ)氏は、経産省が設置した「検査の在り方に関する検討委員会」の委員長として、原発の定期検査の間隔を現行の13ヵ月から24ヵ月に延長することを認める報告をとりまとめ、安全確認を後退させる役割を果たしました。
また、中越沖地震の直後に経産省が設置した「原子力施設に関する調査・対策委員会」の委員長につきましたが、調査も原因究明もしていない段階で「運転再開は1年後」と発言し、各方面から厳しい批判をあびました。原子力の安全規制に関する事項を所管する委員会の委員として、不適任であります。
公益認定等委員会委員候補の海東(かいとう)氏は、滋賀県高島市長時代に「事業仕分け」で大型ハコモノ事業を対象から外し、障害者福祉など住民向けサービスを削減するなど効率一辺倒の行革をおこなった結果、市民の厳しい審判をうけました。
昨年末、新政権下の「仕分け人」として参加していますが、これまでの活動経歴から見て、公益認定の審査において公平性が確保されるか大いに疑問です。
公認会計士・監査審査会は、不正事件が後を絶たないため、2004年に従来の公認会計士審査会を改組し、監査法人等に対する監視・監督の機能を強化し監査の質を高めるために設置されたものであります。この役割からみて、監査を受ける側の公認会計士・監査法人の代表的幹部が、監督をおこなう側の審査会委員となること自体、中立性の観点からみてふさわしくないと考えます。
最後に、日銀政策委員会審議委員についてです。今回、電気事業連合会副会長として財界活動をおこなってきた森本(もりもと)氏が提案されていますが、同氏が任命されれば、日銀政策委員会の9名のメンバーのうち3名が産業界からの任命になります。国民各層の意見を公平に反映すべき政策委員会が、産業界の比重をこれ以上高めるべきではないとの観点から賛成できません。
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