奮戦記
【12.02.24】AIJ投資顧問の企業年金巨額損失事件をただす
衆院財務金融委員会で、私はAIJ投資顧問(東京都中央区)による企業年金の巨額消失事件をとりあげ、金融庁の検査体制を追及しました。
企業年金・AIJ投資顧問 企業年金は、厚生年金などの公的年金とは別に、企業が社員を対象に任意に設ける年金。1社単独か地域・業種ごとに集まってつくる年金基金などが管理しますが、資金運用の多くは金融業者に委託しているのが実態です。
質疑のなかで、金融庁はごく一部の投資顧問会社しか検査しておらず、ずさんな実態が明らかになりました。
AIJ社は国内124の企業から約2100億円の年金資金の運用を受託していました。
証券取引等監視委員会の検査で、その大半が消失していたことが判明。金融庁は同日、同社に業務停止命令を出しています。
私は、運用失敗であれ流用であれ、許されない大問題であり、一社だけの問題ではないと指摘しました。
そのうえで、金融庁・証券取引監視委員会は、投資顧問会社に対してどんな検査を行っていたのかと追及しました。
中塚一宏内閣府副大臣は、運用を委託している企業年金の数は把握していないと述べつつ、投資顧問会社は263社あり、いっせい調査を行うことを明らかにしました。
投資顧問会社に対する検査体制について細溝清史金融庁監督局長は「いろんな情報をもとに選択して、デスクベースで検査している」と説明しました。
私は、顧問会社に対する検査が、実地検査を含め、まともに行われていなかったことは重大だと指摘しました。
公的年金の年金積立金についても投資顧問会社などの受託機関に丸投げされ6年間で6兆円もの損失を出していることを予算委員会で明らかにしたことに言及。「由々しき事態だ。検査体制を抜本的に見直すべきだ」と求めました。
自見庄三郎金融担当相は、「ご批判を真摯(しんし)に受け止め、関係省庁とも連携して対策を速やかに実行したい」と答えました。
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