奮戦記
【13.05.22】不思議な国会用語…「つるす」「お経読み」「寝る・起きる」「本国」(facebookより)
不思議な国会用語。……国会では、世間ではとても理解できないような言葉が「通用」しています。
たとえば、「つるす」「お経読み」「寝る・起きる」「本国」などの言葉です。私は、はじめて国会に出た時、言葉がわからず話についていけませんでした。
●法案は、国会に提出されたらすぐ審議が始まるかというと決してそうではありません。まずはじめに、議院運営委員会(議運)で、本会議で法案の趣旨説明と質疑を行うかどうかを決めます。本会議で「趣旨説明するよう求める」ことを、国会用語で「つるす」とか「つるしをかける」といいます。
本会議での提案理由説明を省略して、委員会に法案を付託することを「つるしを下ろす」とか「つるしを解く」という言い方をします。ときには、審議したくない法案を「つるしたまま放置しておく」というやり方をする場合も、戦術としてとられることがあります。
自民党の馳浩・衆議院議員が「大阪新聞」(2000年3月22日付)に、こんなコメントを掲載したことがありました。――「共産党もしょっちゅうつるしをかけることはある。でも、それには筋の通った理由がある。法案の内容に異論があったり、議会運営の前例や原則がゆがめられそうになったりしたとき。だから、筋道を立てて説得すればつるしを下ろすことに応じてくれるので与党としては対応しやすい。良識的だ(頑固だけど)」と。
●本会議や委員会で大臣が法案の趣旨説明をすることを、「お経読み」と言います。官僚の書いた文章を棒読みするので、お経を読むのに似ているところからきているようです。(僧侶の方には申し訳ないような感じですが)
●与党側の対応が「不満」だといって、野党が審議に応じないことを「寝る」といいます。日本共産党は、国会は審議する場であるとして、与党側の明確なルール違反があり、審議の条件、前提がくずれた場合を除き、こちらから審議を拒否したことはありません。野党が「寝た」ため審議がストップした状態から、審議再開となることを「起きる」といいます。
国会というところは、国民世論を背景に論戦で相手を追いつめるのが基本でなければなりません。なにか気に入らないことがあるとすぐ「寝る」のはいかがなものでしょう。国会は「寝る」ところではなく、しっかり目をひらいて活発で充実した論戦をする場なのです。
●「本国」というのは、議会運営の方針を決める各党の国会対策委員会(国対)のことです。「本国と相談する」というのは「党国対と相談する」という意味です。
「本国に持ち帰って相談した上、つるしを下ろし明日の委員会でお経読みをしたうえ、次の日から審議に入るようにしたい」なんて言われても、一般の人にはさっぱり分かりませんよね。……長い国会の歴史の中でつくられた言葉なのでしょうが。
これもサツキの一種です
佐々木憲昭twitterより