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奮戦記

【13.05.26】安倍政権の国債発行残高は1000兆円に達する

  ◆赤字国債とは何か。一般会計予算の歳入が歳出に対して不足するとき、その財源の使用目的を限定せず不足を補うために発行される公債のことをいいます。
 今月、国会で成立した2013年度予算の総額は92.6兆円。安倍政権では、約43兆円の国債を発行するため、今年度末には国債発行残高が遂に1000兆円に達する見通しです。
 赤字国債は無制限に発行できるのでしょうか。国の財政規律を定める財政法は、この赤字国債の発行についてなんら規定を持っていません。つまり、赤字国債の発行を法律の上では予定していないのです。そのため、赤字国債は、公債特例法によって1年間限りの特別措置として発行されてきました。

   ところが、昨年11月に民自公の「3党合意」によって「2012年度から2015年度まで」の4年間、特例公債の発行を自動的に認める法案を通してしまったのです。
 ほんらい、公債特例法案は予算と一体のものであり、憲法第83条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定めております。どこから財力を調達するかも含め、主権者である国民を代表する国会の議決に基づくものとしているのです。
 憲法第86条は「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と、予算の単年度主義を規定しています。そのうえで、財政法第4条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」としているのです。

   財政法で公債や借入金を認めていないのは、過去の戦争で戦費調達のために大量の国債を発行し、国家財政と国民生活を破たんさせた痛苦の経験があったからです。財政法第4条でかろうじて認めているのは、公共事業等のための公債発行と借入金だけです。それも、返済計画を提出するなどの条件付です。

 かつて大平正芳(おおひらまさよし)大蔵大臣は、1975年12月、衆議院大蔵委員会で赤字国債発行について、こう述べたことがあります。――「財政法は、公債の発行は四条国債以外認めていないわけでございます」。特例公債の発行が「習い性(ならいしょう)となっては困るわけでございますので、異例の措置であれば、その年度限り、その特定の目的のために、これだけのものをお願いする、というように限定しなければならぬ」と。
 公債特例法案は、閣法として出し、その都度、国会の承認を得るというのが原則であり、単年度に限定したのは、財政規律を保つための最低限の措置だったのです。

 この間、民自公3党は公債特例法案を政局の駆け引きの道具にし、そのあげく、もう邪魔だからと、その限定を外してしまったのですから、あまりにもご都合主義です。
 4年にわたって特例公債の発行を認めれば、財政規律はどうなるのでしょうか。今後、14年度、15年度の予算は、まだ、まったく影も形もありません。安倍政権がどのような内容の予算を組むか分からないのに、赤字公債の発行だけを先に認めてしまうというのは、まさに“赤字国債発行自由化法”そのものです。
 これは、国会のチェック機能を奪い国債暴落にもつながる危険な道です。

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