奮戦記
【07.11.13】国会同意人事――参院で3人が「不同意」へ。共産党は任務・実績にてらして判断
今日の衆議院本会議で、政府が示した14機関28人分の人事案件について同意がおこなわれました。日本共産党が不同意としたのは6名(後述)です。
民主・社民・国民新の3党は、労働保険審査会委員の平野由美子氏、運輸審議会委員の長尾正和氏、公害健康被害補償不服審査会の田中義枝氏の再任案件に反対しました。民主党などは、その理由として「官僚の天下りで出身省庁に厳しい意見が言えない」ことをあげています。
国会同意人事は、衆参のいずれか1院で同意されなければ、成立しません。
明日は、参議院で同案件について採決がおこなわれます。参議院では、野党が多数を占めているため、3人が不同意となる見込みです。
国会同意人事が不同意となるのは、1951年以来56年ぶりとなります。
民主、社民、国民新が反対した3人の人事案件について、日本共産党は「前回、全会一致で賛成しており、この間の実績に特に問題はなかった」として同意に賛成しました。
本会議に先立つ衆議院議院運営委員会で、私は、同意人事の判断基準について別添の立場を表明し、6人について不同意とした理由を述べました。
日本共産党が不同意としたのは、総合科学技術会議の榊原定征東レ代表取締役社長、国会公安委員会の田尾健二郎広島高等裁判所長官。また、電波監理審議会委員の小館香椎子日本女子大学教授、NHK経営委員会の深谷紘一デンソー取締役社長、国会公務員倫理審査会の北城恪太郎元経済同友会代表幹事の再任に反対しました。また、公安審査委員会については委員会そのものの廃止を主張しました。
議院運営委員会で、同意人事について日本共産党を代表して発言した内容
日本共産党を代表して同意人事について意見をのべます。
1)まず憲法上の機関である会計検査院であります。
先日の理事会聴聞でも議論になりましたが、会計検査官については、何よりも内閣からの独立性を保持し、国の決算をはじめすべての行政機関に対してタブーなく検査のメスをいれることが強くもとめられています。今日、官製談合、防衛調達疑惑、官庁と天下り企業の癒着などの不詳事が後を絶ちません。国民は、きびしいチェックを期待しており、検査官の努力とともに、検査院自身の改革・機能強化の必要性を指摘しておきます。
2)次に、今回の同意人事について、いくつかの問題点を述べておきます。
同意人事は、審議会・審査会のそれぞれの任務と役割にてらして、相応しい人選かどうかが問われます。
総合科学技術会議について、経済人をあてる場合、所属企業の事業分野と政府の進める科学技術政策の関係が問題となります。本業と重なり合う政府の施策に影響力を及ぼすことは避けるべきだと考えます。
国家公安委員会は、警察運営をつかさどる機関であり、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ることを目的としています。警察をめぐっては、見込み捜査や自白強要などの人権無視の捜査が依然としてなくならないもとで、国家公安委員には、国民の基本的人権をまもって、警察行政を民主的に改革するに足る人材が必要だと考えます。
3)委員の再任にあたっては、委員としての実績、活動が問題となります。
電波監理審議会では、この間、総務大臣による「命令放送」の諮問をうけ、どのような審議・答申をおこなったかが問われなければなりません。今回の「命令放送」に対しては、「番組編集権への脅威・言論の自由への介入」との批判があり、それを容認した審議会の形骸化を指摘する厳しい意見も出されています。議事録をみても「反対」を表明した委員が一人もいなかったことは重大な問題です。
NHKの経営委員については、この間、事実上の粉飾予算であった2005年度NHK予算を承認したこと、受信料の義務化・罰則化などNHKの国営放送への変質を推進してきたことが問われます。竹中「NHK改革」路線に呼応してきたことも問題であります。
国家公務員倫理審査会では、前回、公務の民営化推進の立場をとる方が適切かどうかを問題にしましたが、今日、公務員と企業・業界との関係がきびしく問われていることを考慮すべきだと考えます。
4)委員会そのものの必要性が問わなければならないのが、公安審査委員会です。公安審査委員会・公安調査庁は、民主政治や国民の基本的人権と相いれない憲法違反の存在であり、その廃止を強く主張してきたところです。
以上、わが党の考え方を申し述べ発言を終わります。
テロ特措法は衆院本会議で可決強行。焦点は参議院へ
今日の衆議院本会議で、テロ特措法案が賛成多数で可決が強行されました。日本共産党を代表して赤嶺政賢議員が反対討論を行いました。
今後は、参議院での審議が焦点になります。