奮戦記
【08.07.08】発声障害を持つ議員の「代読」を認めないのは重大な人権侵害
岐阜県恵那地区の日本共産党演説会(5日)で、「代読裁判」原告・小池公夫さんからの訴えがありました。
私は、市民に選ばれた小池議員の「代読」をかたくなに拒否し続けている議会の理不尽な対応に対し、あきらめることなく粘り強くたたかっている小池公夫さんとご家族、支援者の姿に、あらためて深い感動を覚えました。
東海ブロック選出の国会議員として、私は、これまで市会議員選挙のたびに応援に入りました。<以下の写真は2003年4月の市議選応援>
小池公夫さんが、下咽頭ガンに冒され声帯を失い発声することができなくなったのは、2002年10月のことです。
2003年4月の選挙では、小池議員の息子さんと娘さんが訴えをおこないました。
そして小池公夫さんは、市民に支持され見事に再選を果たしたのです。
日本共産党市会議員団は、下咽頭ガンの手術を受けて発声が困難になった直後、小池議員の発言権を確保するため中津川市議会運営委員会に対して「質問を文書でさせてほしい」と申し入れました。
しかし議運委員会は、質問や発言は「口頭で行うのが原則である」として、それを認めませんでした。
その結果、小池議員は、事実上議会での発言ができなくなったのです。
2003年4月に再選された後、日本共産党は「代読による質問」や「ホワイトボードを使っての発言」を申し入れましたが、それも認めませんでした。
その後、日本共産党の申し入れや市民の運動もあり、2005年12月には委員会での代読は認められました。
しかし、本会議での発言は一切認められず、2期目は小池議員は一度も本会議で発言することができなかったのです。
ある市議会議員は、「パソコンで入力する“会話補助装置”を使った方がよい」などと主張しているそうです。
しかし、小池議員はそれまでパソコンを使ったことがありませんでした。
本人が望まない会話補助装置などを強制することは、苦痛を強要するものであり議会による「いじめ」以外の何ものでもありません。
本来、どのような伝達手段を使うかは、障害者本人が選択すべきものです。
それは、障害者の「自己選択権・自己決定権」に属する問題です。
2006年12月13日に国連で採択された「障害者の権利条約」でも、「公のコミニュケーションの方法は、障害のある人の自らの選択を承諾すること」とされているのです。
中津川市議会は、小池議員の代読発言をあくまでも拒み続け、「議会事務局職員による代読発言を認めるべき」とする岐阜県弁護士会の勧告があっても、小池さんの訴訟予告があっても、その態度を変えようとしませんでした。
そのため、弁護士や支援者などとも相談のうえ、やむをえず中津川市および代読に反対した議員にたいして損害賠償を請求する訴訟を起こすことになったのです。
発声することができなくなった小池議員が、中津川市民に再選されたということは、市民が小池氏の意見を議会に反映してほしいと望んだことを示しています。
それなのに、「代読」を認めないのは、市民の意思を無視するものです。
そうなれば、声を失った障害者は、事実上議員になる道を閉ざされてしまいます。
鎌倉市議会では、すでに発声に障害のある議員の代読が「権利だから」(市議会議長)と認められているのです。
小池さんへの支援の輪を広げようではありませんか。
小池さんは、つぎのように訴えています。
→ 小池公夫さんのホームページより
私は中津川市議会議員であった2002年(1期目の任期途中)に下咽頭ガンに冒され、声帯を失いました。そのため議会での発言を代読で行えるよう議会に要望しましたが、口頭が原則という理由で認められませんでした。
そこで2004年8月には、議会活動の保障を求める陳情書が1万5千筆の署名とともに市議会議長に提出されました。また、2005年11月には岐阜県弁護士会人権擁護委員会から「議会事務局職員による代読」の勧告が出されましたが、「法的義務はない」などと市議会側はこれを無視。そして遂に2期の任期終了(2007年4月)まで、代読によ る一般質問が認められることはありませんでした。
この信じがたい議会の対応は、障害をもつ者に対する人権侵害であり、まさに「いじめ」であると考えています。そこで、2006年12月に中津川市及び代読に反対をした市議会議員28名に対して損害賠償訴訟に踏み切りました。これからも支援してくださる皆様とともに、あきらめず活動していく所存です。どうぞご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
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