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奮戦記

【08.03.19】財金委で質問──法令遵守しない企業の効率化後押しは問題

   財務金融委員会で関税法等改定案について質問しました。

 私は、この改定案に盛り込まれた「日本版AEO」制度(注)の対象拡大が、労働法制などの法令順守に問題がある大企業による効率化最優先の動きを助長し、それを後押しすることになると指摘しました。
 「日本版AEO」制度には、「特例輸入者」「特定輸出者」に対して輸出入時の通関手続きを簡素化する特例措置が設けられています。
 「特例輸入者」「特定輸出者」の条件として「貨物のセキュリティ(安全性)管理とコンプライアンス(法令順守)の体制が整備された事業者」などがあげられています。

   関税定率法等改定案には、特例措置の対象となる事業者を通関業者に拡大することが盛り込まれていました。

 私は質疑で、キヤノンや豊田、リコーなど、大企業が名を連ねる「特定輸出業者」80社(3月6日現在)のリストを示しました。
 その上で、キヤノンの偽装請負やトヨタ自動車での過労死事件を取り上げ、企業のコンプライアンスのあり方についてただしました。

   厚生労働省の石井淳子労災補償部長は、トヨタの過労死裁判が、QC(品質管理)サークル活動を労働時間と認めたことについて「他の企業も含めルールが徹底されることが大切」と答弁しました。

 これをうけて私は、判決が出てもQCサークル活動を労働時間と認めない会社が法令を遵守していると言えるのかと指摘しました。
 その上で、今回の改定案が「広い意味でコンプライアンスに問題がある企業が、効率化を最優先させ、それを後押しする法改正だ。根本的に疑問がある」と強調しました。

   この改定案は、今日、採決され、自民、公明、民主の各党の賛成多数で可決しました。日本共産党は、反対しまた。

  (注)日本版AEO制度とは
 AEOは、Authorized Economic Operatorの略 貨物のセキュリティ(安全性)管理とコンプライアンス(法令順守)の体制の整備など一定の条件を満たした事業者に対する特例措置。貨物の到着前の輸入申告や、納税申告前の貨物引取りなどができる簡易申告制度や、貨物がどこにあっても輸出申告ができ輸出許可を受けられる特定輸出申告制度などが含まれます。
 日本共産党は、この制度が、財界、多国籍企業の要望に沿ったものであり、輸入品に対する検査体制を骨抜きにするものだと指摘しています。

日銀同意人事──田波総裁候補と西村副総裁候補について議運委で発言

 今日の本会議で、日銀の田波総裁候補と西村副総裁候補について採決がおこなわれ、可決されました。日本共産党は、2人にたいし「不同意」の態度を明らかにしました。その理由は、直前の議運委で表明しました。内容は以下の通りです。

 日銀総裁・副総裁の同意人事についての意見を述べます。
 日銀は、通貨・金融政策の最高の意思決定機関であり、総裁・副総裁は、金融に関する専門的知識をそなえることは当然ですが、国民的視点に立ち一定の自主性・機動性をもった政策判断ができる人物でなければなりません。
 政府提出の人事案には、そのような視点が十分ではなく、2度も財務省の事務次官経験者を提案し、それを飲むようもとめてきました。その姿勢に、根本的な疑問を持たざるを得ません。

 田波氏は、1998年、金融機関の不良債権処理のために、30兆円を超える公的資金の注入のスキームをつくったときの事務次官です。
 その後、資金注入枠を拡大し、総額35兆円超の公的資金を投入し、10兆円以上が戻らなかったのであります。さらに、不良債権処理を加速させ信金・信組を中心とする金融機関の統廃合を促進し、その利用者である中小零細業者を倒産・廃業に追い込み、国民生活と日本経済に重大な被害をもたらしました。
 昨日の聴聞会で私は、血税を使わず、銀行業界全体の負担と責任で危機に陥った銀行を支援すべきではなかったか、と問いました。しかし田波氏は、「不良債権が大きくなりすぎたのでやむをえなかった」という答弁で、まったく反省がありませんでした。
 また、田波氏は、バブルを発生させたプラザ合意後の日銀の超低金利政策を肯定的に評価するなど、国民生活への犠牲を軽視しており、対米追従姿勢についても批判的な姿勢がありません。
 田波氏は、武藤氏と同様、大蔵省の事務方のトップとしてやってきた国民犠牲の政策に全く反省がありませんでした。このような方が、国民経済の健全な発展を責務とする日銀総裁にふさわしくないことは明白であります。

 西村氏は、2005年3月から日銀政策委員会審議委員に任命されましたが、任命後は、それまでとっていた日銀の超低金利政策に対する批判的な発言はみられません。むしろ超低金利政策と量的緩和政策の継続を合理化する発言が目立ちます。
 金融政策決定会合でも福井総裁らにすべて同調しており、当初国民が西村氏に期待した役割を果たしているとはえいません。したがって、西村氏の副総裁任命には賛成しがたいものがあります。

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