奮戦記
【08.07.16】『通商白書』──投機資金流入が原油・穀物価格つり上げと指摘
今年の『通商白書』は、投機資金の流入が原油・資源、穀物価格の急騰をまねいていると指摘しました。
1980年に同規模だった世界のGDP(国内総生産)と金融資産残高との比率は、1990年に2倍になり、2006年には3.5倍になったと分析し、実体経済をはるかに超えて膨張した金融経済の姿が明らかとなりました。
原油は、5月時点の需給関係で説明できる価格は、1バレル当たり74.7ドルですが、実際の価格は125.5ドルになっています。
50ドル分が、投機資金の流入による押し上げ分となっているのです。
また、トウモロコシは、需給関係で1ブッシュ当たり3.1ドルなのに、実際の価格は6ドルにもなっており、投機による押し上げ分が2.9ドルとなっています。
『通商白書』は、投機資金の流入によって実体経済が大きな悪影響を受けていることを指摘しています。
しかし、その投機をどうするのか、投機資金にをどのようにして規制するのか──この肝心の課題については、具体的な対策がみあたりません。
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